備忘録:『無形資産が経済を支配する』①

久しぶりの投稿になります。
サムネイル掲載を快諾いただいた東洋経済新報社様には感謝です。

『無形資産が経済を支配する -資本のない資本主義の正体-』

著者のジョナサン・ハスケル先生とスティアン・ウェストレイク先生は英国で経済統計学の権威で、御二方で2017年にインディゴ賞を共同受賞している。

ビル・ゲイツ氏は『従来の考え方で説明できないことが増え、世の仕組みやルールが追いつかず大きな問題が起こる理由を理解する上で、本書はイチオシ』と述べてます。

2006年のマイクロソフト社の市場価値は2500億ドル(26兆円)で、有形資産(工場や設備)は30億ドル(0.3兆円)。有形資産は市場価値の1%程度。無形資産の恩恵を大いに受ける形となっている。
また同氏は『マクロソフト社の資産価値は研究開発で生むアイデア、ブランド、社内プロセス、人材などの無形資産』と言っています。「無形資産」に投資し、価値を創出している。

無形資産の主な3種類
1.コンピュータ化情報…ソフトウェアやデータベース開発
2.イノベーション財産…研究開発や娯楽作品の制作
3.経済能力…人材への研修など

「有形資産」と「無形資産」で異なる4つの『S』がある。(図 参照
①.Scalable スケーラブル(拡張可能性)
②.Sunk cost サンクコスト(埋没費用)
③.Spill over スピルオーバー(波及効果)
④.Synergy シナジー(相乗効果)

無形経済で活躍できるのは仕組みを練るリーダーシップがある人材。
「無形資産」への理解と向き合い方が各業界で問われるそうです。
他にも興味深い記述もあり、個人的に印象深い内容を挙げました。